人生一生未定

買取査定で働く一般人の居場所

買取店員の私が語る レコード需要と保管方法

 買取店のチラシや広告では、レコード買取を謳っているところが多い。
 いくらか値段が付くかもしれないと、大量に持ち込みをする人がたくさんいる。

 だけど期待とは裏腹に、レコードは二束三文以下で値段がつかないことも多い。

 私の働くところでは

 

「レコード買取で出せるのは数十円買取。海外のジャズレコードならもう少し上がる」

 

と教えられたし、今はそもそもレコードの需要がないという。だけどそのことをお客様に説明したら

 

「最近需要が上がっていて製造し始めている」

 

と言われた。
 気になって調べてみたところ、こんな記事を発見した。

 

itmedia.co.jp

 日本レコード協会は1月26日に発表したアナログレコードの2022年の年間生産額は43億3600万円で、1989年以来33年ぶりに40億円を超えた。

 

 私や同年代の人間からしたら、レコードや蓄音機なんて教科書やアニメなどでしか見たことないような代物だ。そんな歴史ある品々が、2020年からブームになりつつあるという。

 レコードのほかにもCD・カセット・DVDやBlu-rayディスクなども生産数が増えつつあるという。時期から見るに、コロナで自宅待機やロックダウンなどが起こったことが関係しているのではないだろうか。

 

 このニュースを見ると、確かにお客様が「需要が上がっている」と言ったのもわかるし、買取店に持ち込んできたのもうなずける。私ももしレコードの処分に困っていた時にこのニュースを見たら、需要が上がっているんだから高値で買い取ってもらえるはずだ! と思うだろう。

 

 だけど、いくら世の中がそういった流れを作っていたとしても、私のような末端の買い取り業者にはあまり関係のないことだ。どんなに流行りが来ていても、レコードは1枚10円。いくら状態が良くてもそれは変わらないし、おそらくほかの買い取り業者も似たようなものだろう。

 それでも買い取ってほしい、少しでもお金に換えたいというのなら、以下のことを意識して保管したほうが良い。

 

・レコード盤のみの場合、本体が割れたりひびが入ったりしないように立てて保管する

 

 私の店に持ち込むお客様の中には、裸のレコード盤を重ねて段ボールに詰めている方が結構いる。
 箱はなくすものだし、劣化していけば色が変わって虫も沸く。だからレコード盤を裸で置かざるを得なくなるというのは理解できる。

 だけどレコード盤を無差別に重ねておくと、経年劣化と上からの重さでひびが入り、バキバキに割れてしまう。実際私が対応したお客様の中には、段ボール箱いっぱいに裸のレコード盤を詰め込んだ方がいた。その方のレコード盤は端の方にひびが入っており、査定のために取り出しただけで欠けてしまったのだ。

 

 こうなってしまえば、いくら価値があるとされる洋楽ジャズだったり、近年需要が上がっているとされているものだったりしても、査定額はガクッと下がる。古本に落書きやページの欠けがあるのと同じだ。買い取ってもらえても10円がやっとだし、汚れや傷のある本なんか誰も欲しがらない。

 

 そのための立てかけ保管だ。これはレコード盤本体がゆがみ、欠けたり割れたりすることを防ぐことができる。
 これにプラスして、窓の近くや押し入れの中などにしまわないようにするとなおよい。結露でカビが生えるのを防いでくれる。
 また、直射日光を避けるのも大切だ。レコード盤は高温に弱い作りなので、光にさらし続けると状態が悪化してしまう。

 

「直射日光の当たらない場所で保管なんてできない」
「立てかけ保管なんて手間がかかる」
「そもそもそうやって収納ができないから、重ねたり端に寄せたりするしかないんだ」

 

 そういう人もいるだろう。そんな場合には、トランクルーム(貸倉庫)を利用するのも1つの手である。東北地方の人には以下のトランクルーム会社がおすすめだ。

 

この会社の何がいいって、関東のみならず東北地方からの集荷にも対応しているところだ。

私は東北地方の片田舎で暮らしているため、都会で有名なサイトやサービスとは無縁な生活を送ってきた。

少し前に話題になったNURO光や、コロナ禍にブームになったウーバーイーツ。こんな都会の人からしたら当たり前のサービスは、私のような田舎に暮らす者には存在しないも同義。

だけどこの会社は、東北のような田舎からも集荷をしてくれるし、web上で手続きをするだけで要らないものを倉庫に運び込んでくれる。

配達の担当は天下のクロネコヤマト様だから安心できるし、倉庫内の環境だってレコードを保管するには完璧に近いだろう。置き場に困っているという人にはぜひとも検討して欲しい。

 

「そんな収納できないし、邪魔だから今すぐ処分したい」
「ただでさえ量が多いのに、苦労して買取店に持って行ってもそんなに安いんじゃもうどうしようもない」

 

 そんな人には、レコード専門の買い取り業者をお勧めしたい。個人からの宅配買取を請け負っている業者の中には、送料を負担してくれるところも多いだろう。

 私個人の一押しは以下の会社だ。

 私の会社にレコードを持ち込んでくれた人は、値段を見ると決まって肩を落とす。

 

「苦労して持ってきたのにたったこれだけなんて、ガソリン代にもなりやしない」

 

 そう苦笑いする人も少なくはない。そんな人たちを見て心を痛めながらも、私個人ではどうしようもできないのが現状だ。
 そんな人たちへ「なにも持ち込みだけが手段じゃない、宅配買取という手段もあるよ」と伝えたいと思い、この記事を書いた。

 

「歳も歳だからそろそろ身の回りを整理したい」

 

 もしもこの記事を読んでくれた人の中で、音楽好きな親御さんがこんなことを言い出したとしたら、その時はここに書いたことを思い出してほしい。