買取店員の私が語る 着物の寄付という第3の選択肢
終活に向けた片づけを進めている人にとって、着物は手ごわい敵になるだろう。ゴミに出すにはあまりにもきれいすぎる上、元値と思い入れがちらついてゴミ袋に詰めるには気が引ける。
かといって専門業者に買い取ってもらっても、もらえるお金はスズメの涙。訪問買取は知らない人が家に押しかけてくるから抵抗があるし、安価に買いたたかれた上にこの先広告やら何やらが来るかもしれないと思うとそれもできない。
ならばどうすればよいか。買取店で働く私としては、寄付をするのが一番良いと考える。
着物オススメ寄付先その1 もったいないジャパン
実店舗型の買取店に持ち込んでもせいぜい数百円。専門の買い取り業者も似たようなもので、中にははっきりと「買取できませんがこちらで処分いたしますよ」というところもあるだろう。
あなたがお金に執着がないというなら、この場合は各団体に寄付をした方がよい。
例えば、こちらの団体はどうだろうか?
NPO法人もったいないジャパンは、まだ食べられるのに廃棄される食品や使用できる日用品などを広く集め、それを必要としている国内外の福祉団体や個人等に寄贈する活動をしています。
この「もったいないジャパン」に寄付した場合、着物は国内の福祉施設へ渡っていくという。においやシミがないきれいなものであれば、布地などでもOKとのことだ。
着物のほかに反物などを持て余しているという人もいることだろう。そういったものもこの団体に送れば、必要としている人たちのもとへ渡り、大切に使ってもらえる。
もしあなたが、自分の着物を大切に使ってもらいたい、人の役に立ててもらいたいと考えているのであれば、こちらへの寄付を強くオススメしたい。
着物オススメ寄付先その2 宅配買取店 着物10
「寄付したらよいのはわかるけど、調べたらいろいろな団体が出てきてどれがどれやらわからない」
そんな情報におぼれそうなあなたには、買取店を通しての寄付をオススメする。
「買取店に持って行っても無駄だって言ったじゃん!」
そんな声が聞こえてきそうだが落ち着いてほしい。確かに買取店へ着物を大量に持って行っても、二束三文ぐらいにしかならない。だが、それはあくまで「高値で買い取ってもらう」を前提にした話。ものを売って利益を得るのを目的とした場合だ。
着物買取をしている店舗の中には、値が付かないものを施設や団体に寄付しているところもある。そういったところへ持ち込めばいいのだ。
自分で団体に問い合わせ、梱包し、送料を出して送る必要もない。店舗に任せたらあとはすべてやってくれるし、寄付目的で持ち込んだものの中に、とんでもなく高い値をつけられるものが混ざっているかもしれない。そう考えたら、二束三文どころか一石二鳥ではないだろうか?
「わざわざ持ち込むなんて面倒くさいよ」
そんな人のためにあるのが、宅配買取サービスだ。
つまり、損なく楽して着物を寄付したい時には
- 団体への寄付を宣言していて
- 無料の宅配キットや送料無料などサービスが充実しており
- 着物以外の買い取り実績が豊富
以上の条件に当てはまる業者にお願いすれば良いのである。
そして私が知っている中で、このすべてを満たしている買取業者は「着物買取の《着物10》」だ。
着物10は、和装バッグや反物、襦袢などの着物以外の品物にも対応している。着物とセットで買った小物があるという人にはうってつけだ。
しかも発送するときにいちいち種類ごとに分別する必要もない。送られてきた梱包キットにひとまとめに詰め込み、発送するだけだ。
査定したものは1点ごとに明細を出してくれるので、細かい計算なども必要ない。値段が付かないものは無料で引き取ってくれるので、あなたのほうからお金を出す必要は一切ないのだ。
引き取られたものは、ハギレや小物へリサイクルされたり、生地をほどいて加工販売している企業へ提供されたり、雇用・就業の支援をしている企業へ寄付されたりするという。布地どころか生地の糸1本まで再利用してくれるというのだから、これほどありがたいことはないだろう。
まとめ
というわけで、今回は着物を寄付する方法についてまとめた。
以下はこの記事を書いていた私の気持ちというか、つぶやきだ。
土地柄もあるのだろうか、私の勤める店には着物買取のお問い合わせが良く来る。持ち込みだってたくさん来る。
嫁入りの時に親から譲り受けたものだったり、若いときに頑張って買った高級なものだったりを、買取店へ持ち込むご婦人は多い。買ったときは何十万とした思い入れのあるものでも、先を考えたらずっとしまいこんでいるわけにもいかない。ずっとしまっていたから状態は良いし、きれいだからいくらかのお金にはなるかもしれない。買ったときはあんなに高かったんだから。
私が日頃相手にするお客様は、そんな期待を込めて着物を持ってくる。人によっては反物や和装の小物なども一緒に持ってくる。
だけどそんなお客様に、私たちは数百円しか渡せない。いくら状態が良くて、買ったときの値段が高くても、着物を卸して利益を出すのは難しいのだ。
そもそも今の世の中では、着物自体の需要があまりない。日本の素晴らしい文化だと海外での人気は高まっているようだが、それは著名な着物職人の「作品」に限ったものだ。加賀友禅の巨匠である「宮野勇造氏」が手掛けたものでも、ヤフオクでは数万円の値にしかならない。それでも十分すごいことだが、元の値とブランド力を考えたらわびしい気持ちになるような値段だ。
そういった事情を包み隠さずお伝えすると、皆さん決まって悲しそうな、寂しそうな顔をする。それを見るたびに心が痛んで、なんだか私のほうまで悲しくなってしまうのだ。
そんな気持ちになる人が増えないように、今回はこの記事を書いた。思い入れのあるものを捨てるなんて、そんなつらい決断はできないし、させられない。
「着物ってどこにいっても安値でしか買い取られないし、思い出のある大事なものだけど、もう燃えるゴミに出しちゃおうかな」
そんなことを考え始めてしまった人に、この記事が届くことを祈っている。
買取店員の私が語る メッキアクセサリーの得する売り方
※ここに書いてあることはすべて私個人の経験に基づいたものです。すべての買取店が当てはまるというわけではありません。
金メッキのアクセサリーを持ち込む人は、当たり前だけど多い。
「これメッキのアクセサリーなんだけど」
と最初から話す人もいれば、
「家に合ったものとりあえずもってきた」
という人など千差万別だ。
メッキというのは簡単に言えば装飾のことで、劣化や腐食を防いだり、見た目を豪華にするために使われる。
つまり、もともと価値のないものをきれいに見せているだけだ。そんなものが高値で買い取ってもらえるわけもない。
だけど、それでも高く買い取ってもらいたい、少しでも高値で手放したいと思う人が多いのも確かだ。今回はそんな方々にむけて、私が個人的に感じたメッキアクセサリーの売り方を書いていこうと思う。
- 不用品を処分したいけど、なるべく損をしたくない人
- 終活を考えている人を手伝っているが、不用品を買取店へ持ち込むのが面倒な人
- 終活に向けての整理を考え始めている人
- 結論:メッキはヤフオクに出そう
- その1 アクセサリーの汚れや傷をなるべくきれいにする
- その2 商品写真をしっかりと撮る
- その3 マイナス点はしっかり記述する
- その4 相場を調べて値段をつける
- 結論リターンズ:店に持ち込むより自分で出品しよう
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買取店員の私が語る レコード需要と保管方法
買取店のチラシや広告では、レコード買取を謳っているところが多い。
いくらか値段が付くかもしれないと、大量に持ち込みをする人がたくさんいる。
だけど期待とは裏腹に、レコードは二束三文以下で値段がつかないことも多い。
私の働くところでは
「レコード買取で出せるのは数十円買取。海外のジャズレコードならもう少し上がる」
と教えられたし、今はそもそもレコードの需要がないという。だけどそのことをお客様に説明したら
「最近需要が上がっていて製造し始めている」
と言われた。
気になって調べてみたところ、こんな記事を発見した。